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あひるのアレックス

あひるのアレックス『あひるのアレックス』 作・三浦 貞子、森 喜朗
作者の森喜朗(元首相)がだれなのか、子どもたちは知らない。いつもの読み聞かせだと思っている。けれどもこのお話は、どこかで聞いたことがあるぞ? と勘づいた子どもはいるだろうか。そう、あの「みにくいアヒルの子」と似ている。
べつの鳥の卵が、親鳥の腹の下に混じり、育てられる、その部分が似ている。しかし大きく違うところは、あちらは徹底的にイジメ抜かれて追い出され、放浪の旅のすえに死にかけて、その苦労が実るかたちで美しい白鳥になるというものだが、森喜朗作のほうは違っていて、親も兄弟も周りの生きものたちも、みんな温かくアレックスの違いを見守っている。どちらも結局は一人立ちするが、アレックスは周囲の愛に見守られていることを糧にして「ひとり」を受け入れている。これは教育的配慮がなされた所以だろう。子どもは周囲の愛によって健全に成長できるものだという、お手本のようなものだと私は受け取ったが、子どもたちは必ずしもそういった理詰めで理解しているわけではなさそうだ。じっさいに子どもたちに読み聞かせた感覚で言えば、反応を見せたところは2箇所ある。1つは、みんなと同じように飛べないアレックスが口惜しがるところ。もう1つは、みんなと同じように飛べなくても、周りのものたちが温かく見守っているところ。私が読み聞かせた相手は幼稚園の年少さんだが、こんなに小さな子どもたちでも、なにかに挑戦し、上手にできなかったという、挫折感のようなものを、すでに体験して知っているようで、上手にできないアレックスを自分自身と重ねて見ているようでした。意外にもこの絵本は、好評でした。
アンデルセン作「みにくいアヒルの子」は物語としての豊かさがあり、森喜朗作「あひるのアレックス」は豊かさには欠けるが、子どもたちにより近い場所から語りかけているようです。
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