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『ブラック・ハウス』 パトリシア・ハイスミス

その田舎町は閉塞している。
若者は都市へとながれて行き、痛風とか腰痛とかを抱えて暮らす老人と、そう遠くない未来に自分らも同じように足をひきずって歩くようになるだろう年配者と、あと残りわずかの若者しかいない。

男たちは泥にまみれて働き、単調で平凡な日々を、けれども奥歯をかみしめて生きている。それゆれ仕事がおわるとこぞってパブへと出向いて行く。この町にはパブが1つしかない。このパブへ、夜ごと通いつめることが、この町に暮らす男たちの、男らしさの証だった。

あびるように酒を呑む。男たちの吐く息と嘲笑と勇ましさとがむっとする店内にみちている。老人の昔話、うわさ話、おわりなく続けられる繰言の数々。そのなかに、いっぱしの男の仲間入りをはたした、若い男Aがまじっていた。

ブラック・ハウスを知っているか?
あの空き家には恐ろしいものが棲んでいると、若い男Aは聞かされる。
「おれたちも若い頃には…」、と酒に酔った老人たちが言い始める。ほかの年配者たちも「そうだ、そうだ」と話に加わってゆく。自分たちがいかにして、その恐ろしいブラック・ハウスでさまざまな体験をし、そこから生還してきたのかを、まるで若い男Aに、自慢するみたいに語っていくのだ。
ブラック・ハウスには、いまでも恐ろしいものが棲んでいるという。
ある日若い男は、その空き家へと侵入していった。
自分も男として、勇敢なさまを示したかったのだ。
そこで見たものは?

なにもない。
恐ろしいもの、どころか、ただの古い空き家だった。
若い男Aはパブへ走って行き、その事実をみんなに知らせた。
したたか酔った男たちは黙り込んでしまう。
そうして、集団で、若い男Aに暴行し、口がきけないまでにしてしまう。小説は、ここで終わり―。

『新潮』だったかなぁ…?
なにかの特集(ゴシックなんとか?)をやっていて、そのなかの1本に、たしかこんなふうな小説が入っていたと記憶している。うんと若い頃に読んだ。
すごく印象に残っている。題名も作者名も忘れてしまったので検索で調べてみたら、パトリシア・ハイスミスの『ブラック・ハウス』だった!
どなたかの書評を読むかぎり、記憶違いが少し(汗)。
でも大筋はこんな感じ。
なぜ若い男Aは殺されてしまうのか。酒に酔いたい男たちにとって、ブラック・ハウスはどんな役割を担っていたのか。…?
シンプルな話だけれども、現実にありそうな話でもあります。

↓パトリシア・ハイスミスの出世作
太陽がいっぱい
パトリシア ハイスミス Patricia Highsmith 佐宗 鈴夫

4309461255

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