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『ムニュ』 みやざきひろかず
- 2007-01-20
- 絵本、童話、児童書
ムニュって しってる?どんな いろにも
どんな かたちにも すがたを かえる
ふしぎな いきもの
子どもたちに大人気の絵本。やさしい絵とみじかい言葉でムニュの魅力を伝えている。おそらく対象年齢は幼稚園児ほどだろうが、私のような、むやみに深読みする大人まで楽しめると思う。ムニュは自由だ。なんの制約もない。縛りから解放された気ままな魂だ。子どもたちは絵本を読んでもらいながら解放されてゆく。どんな形にも姿を変えることができるムニュが、つぎはどんな形で現れてくれるのかという好奇心を子どもたちから引き出している。そしてなによりも、ムニュの柔らかい姿が子どもたち自身の肌そのもののように、ムニュとすり替わることができるのである。
ムニュって何だろうと考えてみた。よく読むと、視線が2種類あることに気づく。自分から何かになろうとして形を変えてゆく視線と、何かになったあとに、だれかに別のものと誤解されたり決めつけられたりしている視線と。
ムニュを みたこと ある?
じょうずに すがたを かえているので
ムニュを みつけるのは むずかしい
こっそり パンやさんで
かくれんぼしていたり(略)
おかのうえの 木になって
「いい つきだ」なんて
いってます
これは、自分から形を変えて楽しんでいるところ。パンになればパンの視線で世の中を見、木になれば木の視線で世の中を眺めている。形を変えて、それ自体となることで、ムニュは経験し、知ることができる。
「おばけ」と
まちがえられたり
「UFOだ!」なんて いわれたり
いしと まちがえられて
こしかけられたりするけど
ムニュは ムニュなんだ
こちらは、形を変えたあとに、誤解されたり決めつけられたりしているところだ。おばけに似ているだけで「おばけ」と言われ、形がUFOに似ているだけで「UFOだ!」と決めつけられている。形からすべてが判断されて処理されてしまう。
自分ひとりで形を変えて楽しむだけなら自由は保たれてズレもないが、もう1つの視線が入り込むことによって、「ムニュはムニュなんだ」と確認するかのような言葉が必要になってくる。だからムニュは、神様の如く、完全ではないし、特殊な性質、たとえば魔法使いのような、他者から切り離された存在でもない。みんなの内にあって不完全のままで何にでも形を変えてゆくのだ。しかも、「なんだか わけの わからないものに なるのは もっと すき」なんだそうである。
ムニュと ともだちに
なれるかなあ?
なにしろ ムニュは
じっと していないし
つかまえようと おもっても
ゆびの あいだから
するりと にげるよ
ムニュは
こころの ままに いきているんだ
「人間」になるにしたがって、ムニュはしぼんでしまうのかもしれない。パンって何だろう。木って何だろう。好奇心のままに、パンになったり木になったりして、経験し、そこから世界を知ろうとした、素朴だが確実な方法を、ムニュは思い出させてくれる。かわいくて、抱っこして、ぎゅーってしたい、と言った子もいたが、「人間」になることを、あまりに強要されてしまい、まだほんの小さなうちからムニュは押し潰されてやしないかと、ムニュ自身が訊いている。それに、すっかり「人間」になったかのような、大人だって、ムニュは死んではいないだろう。ムニュは心のままに、生きているのだそうだ。
※『ムニュ』の絵本のなかみを見れる。(みやざきひろかず さんの公式HP内)
※ワニくんシリーズはこちら。
じょうずに すがたを かえているので
ムニュを みつけるのは むずかしい
こっそり パンやさんで
かくれんぼしていたり(略)
おかのうえの 木になって
「いい つきだ」なんて
いってます
これは、自分から形を変えて楽しんでいるところ。パンになればパンの視線で世の中を見、木になれば木の視線で世の中を眺めている。形を変えて、それ自体となることで、ムニュは経験し、知ることができる。
「おばけ」と
まちがえられたり
「UFOだ!」なんて いわれたり
いしと まちがえられて
こしかけられたりするけど
ムニュは ムニュなんだ
こちらは、形を変えたあとに、誤解されたり決めつけられたりしているところだ。おばけに似ているだけで「おばけ」と言われ、形がUFOに似ているだけで「UFOだ!」と決めつけられている。形からすべてが判断されて処理されてしまう。
自分ひとりで形を変えて楽しむだけなら自由は保たれてズレもないが、もう1つの視線が入り込むことによって、「ムニュはムニュなんだ」と確認するかのような言葉が必要になってくる。だからムニュは、神様の如く、完全ではないし、特殊な性質、たとえば魔法使いのような、他者から切り離された存在でもない。みんなの内にあって不完全のままで何にでも形を変えてゆくのだ。しかも、「なんだか わけの わからないものに なるのは もっと すき」なんだそうである。
ムニュと ともだちに
なれるかなあ?
なにしろ ムニュは
じっと していないし
つかまえようと おもっても
ゆびの あいだから
するりと にげるよ
ムニュは
こころの ままに いきているんだ
「人間」になるにしたがって、ムニュはしぼんでしまうのかもしれない。パンって何だろう。木って何だろう。好奇心のままに、パンになったり木になったりして、経験し、そこから世界を知ろうとした、素朴だが確実な方法を、ムニュは思い出させてくれる。かわいくて、抱っこして、ぎゅーってしたい、と言った子もいたが、「人間」になることを、あまりに強要されてしまい、まだほんの小さなうちからムニュは押し潰されてやしないかと、ムニュ自身が訊いている。それに、すっかり「人間」になったかのような、大人だって、ムニュは死んではいないだろう。ムニュは心のままに、生きているのだそうだ。
※『ムニュ』の絵本のなかみを見れる。(みやざきひろかず さんの公式HP内)
※ワニくんシリーズはこちら。
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