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ジョルジュ・サンド

スピリディオン―物欲の世界から精神性の世界へちょっと気になる人、ジョルジュ・サンド(1804-76)。
フレデリック・ショパンの恋人だったとか、初期のフェミニストであり、不公平と貧困、死刑と牢獄にも反対していたとか、そういったことはともかくとして、ゾラの小説を買って付いてきた藤原書店の小冊子に、彼女の小説『スピリディオン』について、すこし紹介文が載っていた、それを読んでちょっと気になるのだった。

紹介文によると、この小説は、ドストエフスキーの『カラマーゾフの兄弟』に、決定的な影響を与えた作品だという。ゾシマとアリョーシャの対話が、この小説のアレクシとアンジェロのそれを踏まえたものらしい。といってもドストエフスキー、私は苦手でろくに読んじゃいない(汗)ああ、そろそろ彼とも仲良くならないと…。

内容(アマゾンからコピー)。
――世間から隔絶された18世紀の修道院を舞台にした神秘主義的哲学小説。堕落し形骸化した信仰に抗し、イエスの福音の真実を継承しようとした修道士スピリディオンの生涯を、孫弟子アレクシが自らの精神的彷徨と重ねて語る。アレクシもスピリディオン同様カトリックの現実に絶望、一時プロテスタンティズムに傾き、ついで18世紀の無神論的哲学に惹かれる。が、最後にキリスト教を超える新しい信仰「永遠の福音」の教えを、スピリディオンの墓を暴いて発見、そこに人類全体の連帯と解放の夢を聞き取り、迫り来るフランス革命に、夢の一部の具体化を感じる。正統の中から生まれた異端的思想こそ未来を担うものであることを、サンドは主人公たちの生き方を通して描いた。――

下線部分について、藤原書店の小冊子にはこう書いてある。
――いずれにせよ、ユダヤ・キリスト教の生まれる以前から人類はあったのであり、エジプト、インド、ペルシアその他さまざまな文化が存在した。最終的にアレクシは「われわれに先行する人類全体への啓示の展開の中に真理を探そう」という心境になるが、そこに、サンドの精神的師ともいえるピエール・ルルー(思想家)の思想が投影されているのは間違いないだろう。ルルーは人類は1つと説き、全人類(あらゆる宗教を信仰する者のみならず。無神論者その他すべてを、しかも過去や未来の人々も含めて)を連帯させうる、キリスト教を超えた原理を模索していた。――

その後サンドは、ルルーの思想からも離れていくようだが…。
私が興味をもったのは、次の文章を読んだからである。
修道院の庭の片隅で、自分が育てた花々を見ながら、アレクシがアンジェロに、こう言うのだそうだ。

――わしはまた、1年の終りに咲く花々を見るのが好きだった……わしは植物が生育するのと同じように生きようと努めてみた。思考を働かせるという習慣を忘れようと思った。そうやって一種のまどろみのような状態、覚醒でも眠りでもなく、苦痛でも快適でもない状態に達した。このほのかな快さ……その時のわしの至福感は、とりわけ過去の記憶を忘れ去り未来への懸念を持たなくなることにあった。わしのすべては現在に存在した――

自由に生きた女性、サンドは、騒がしい日常のなかで、なにか夢を見ているようだ。それでも、「わしのすべては現在に存在した」と、彼女は書きたかったのだろう。どれほど闘い抜いて生きたのか。その生きざまを、想像させる。すっかり藤原書店の手下と化しているが(本が高いよぉ)、1冊、買ってみようかな。

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