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アルチュール・ランボー、地獄の季節から。

私は好んだ、荒野、焼き焦がされた果樹園、色あせた商店、そして生ぬるい飲み物などを。異臭を放つ小路から小路へとうろつき廻って、私は眼を閉じたまま、焔の神・太陽にこの身を捧げていた。
「将軍よ、崩れかかったおまえの城壁に、一門の古びた大砲が残っているのなら、乾いた土塊(つちくれ)をこめて、おれたちを砲撃してくれ。きらびやかな店舗のガラス窓を狙え! サロンのなかへぶち込め! 街じゅうに土ぼこりを食らわせてやるのだ、樋嘴(ひはし)は錆びつかせろ。閨房には燃えるように熱いルビーの粉を充満させろ……」
おお! るりぢしゃに懸想(けそう)して、旅籠(やど)の共同便所に酔い痴れている羽虫、そいつも一条の光に溶けてしまうのだ!
(『ランボー全詩集/宇佐美斉・訳』287頁~)

>宇佐美さんのミニ解説
「おお! るりぢしゃに懸想して」この二行の真意は、おそらく次のような自虐の思いのいりまじった軽やかな諧謔にある。すなわち「るりぢしゃ」は利尿剤として用いられる薬草でもある。その花の蜜をすい香をかいだ羽虫は、にわかに尿意をもよおして宿の便所に駆けつけ、アンモニアの臭いにむせながらそこで“よたって”いる。そしてやがてこの頓馬な羽虫のナンセンスな一幕喜劇に幕を降ろすのは、洩れいる西日の一条の光である。――ここには確かに、ひとつのはかない夢の破産がこっそりと打ち明けられているのである。(同・288頁下段)

ランボーは、かなり好き。どこがそんなに好きなのかと訊かれても、阿呆な答えしか出てきそうにもないが…、私も、好む、荒野、焼き焦がされた果樹園、色あせた商店、生ぬるい飲み物…、端から端まで私の好きな言葉で埋めつくされているから、と阿呆らしく、書いてみる。この次の『飢餓』もまたいい。「ぼくに食い気があるならば/土くれと石ころに対するくらいのもの/いつも食べているのは 空気と/岩と 石炭と そして鉄」、、、と始まる。疲れた頭がシャンとする。家に帰ってきたみたいだ。どっこいしょと、腰をおろして休める場所が、私にとっては、ランボーだ。

ランボー全詩集
ランボー全詩集
アルチュール ランボー Arthur Rimbaud 宇佐美 斉

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