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『つぎの著者につづく』 円城塔

文学界 2007年 11月号文学界(11月号)に掲載された円城塔さんの『つぎの著者につづく』
はじめに小説内から文章を抜き出して書くのがカタヨリ紙的で、それは書かれたものに出来るかぎり寄り添い私なりに感想文を書きたいからで。いってみればオバチャンこんなふうに理解したよと“理解”をもとに書いているわけで。ところが今回はそれが出来そうにもない。いきなり白状するけれど、私には分からなかった(笑)。“理解”の意味が違うらしい、なにより、読むまえの知識が必要らしい。つぎの著者につづく、ならぬ、(博識な)つぎの読者につづく。

と、ここで終えてしまうわけにもいかないので私なりに感じたことを書くけれど、あまり真面目に読まないでネ。

目次には「驚異の博覧強記か世紀の大法螺か、言葉の原始に迫る新鋭の力作」と書かれていた。
言葉の原始に迫っているのかどうなのか…、それは分からない。ただ過去の遺産をパッチワークして螺旋状に繋いでいけば、それで原始に迫ったことになる、とは言えないだろ。少なくとも原始であれ何であれ、迫って行くための糸口、方法が必要となるわけで、この短い数十枚(?)の長さの小説内で大きなことをやろうとすれば、どうしたって言葉は凝縮されていくし、場合によっては真空状態にして言葉を転がしていく、その転がす音すらも消す必要があるのかもしれない。

……私とR氏なる人物との類似点が指摘されており(略)私はリチャード・ジェイムス氏の模倣者である。(略)私はその文章を目にするまで、リチャード・ジェイムスなる人物の存在を知ることがなかったのだから仕方がない。その評言に目を通し終わった私が巨大な困惑に襲われたことは容易に想像されるだろう。(20頁)

(乱暴な引用でごめんなさい)
模倣だと言われて、そこから辿り始めた小説なのだろうか?
これが糸口だとすれば、たとえば、さいしょにエジプト王プサンメティコスが出てくるけれど、単に時間をズラしただけで、中心は「模倣と言われた」、ここにあるのかと思った。
だから平たく言ってしまうと、「似てるって言うけど言葉っていうのは…」、そういう原始への迫り方、かもしれない(違うかもしれない)。

内容については、これくらいしか言えない(呆気なく 笑)。
で、苦しまぎれに文章について書いておこう。

店主とのやりとり、ここだけが「スルスルスルー、」というリズムで、あとは「ツーッ、ツーッ、ツーッ、」のリズムだった。
それと、私には、どこがどういうふうに違うのか説明できないのだけれども、言葉同士がぶつかっているような印象で、また言葉自体が持つ意味や姿が、それだけで豊かに広がって行こうとするのを妨げられているような感じもして…、言葉が世界を構築して行くこと(捕まえられてしまうこと)を拒否しているのか、どうなのか…、手触りが粗雑で、多少の無理も感じられた、かな。

なんにせよ「力作」であることは間違いないかも。
それは単純に一生懸命に書いたかどうかじゃなくて、その他大勢の小説家集団から少しでも先んじて生き残りたいという気概、意地、そういったものが読後に色濃く残り、言葉を綴るまえの作者の気持ちが、そうとう溢れ返っている、という意味での「力作」だと私には感じられた。言葉同士がぶつかってしまう音が、騒がしく感じられたから、尚更に、そう感じたのかも…。
これを先に読むと、つぎの著者へと移れなくなる?
あとの小説が、なんとなく物足りなく感じてしまうから、私も作者の術中に、ハマッてしまったのか??

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